一時はトップに出るもピット作業でアンダーカットされてしまうが2位で復活のチェッカー
気温は31-32℃程でそれほど高くは無いが、湿度が高く体力を消耗しそうなコンディションだ。
ウォームアップではいつものように決勝のセットの確認を行った。ここでのタイムは速さの参考にはならないが、10番手でセッションを終えた。
スタートドライバーは松下信治選手。マレーシア国歌、日本国歌が流れ、フォーメーションラップのあとスタートが切られた。

松下選手はポジションをキープし、ホームストレートに戻ってきた。トップ車両のペースは良く、ピットからは無線でトップに離されないように指示が飛んだ。松下選手はトップに食らいつき周回を重ねる。
一時は2秒差をつけられていたが、300クラスの周回遅れが出始めた7周目にトップの背後まで迫り、8周目のヘアピンでトップのインを差しトップに躍り出た。ピットは大盛り上がりだった。そのあとは2番手と少しずつ離れ、21周目にピットインを行い、野尻智紀選手に後半を託した。

7番手でコースに復帰したが、12コーナーで雨が降っていたようだ。雨雲は少なく、路面コンディションに影響は無さそうだが、雨の予報もあったので注意しながら走行を重ねた。
全ての車両がピットインした32周目で野尻選手の順位は2番手。アンダーカットされてしまったが、トップ車両の背後にピッタリと付けて様子をうかがう。時々300車両に行く手を阻まれてしまうが、1秒前後のマージンをキープしながらトップを追った。しかし、トップ車両のペースは速く、野尻選手は徐々に離されてしまう。
決して遅いペースではなかったが、トップ車両のレベルには届かなかった。最終的には2位でチェッカーを受ける事に成功した。第1-2戦で不本意な結果を残していたので、復活の狼煙となる事を期待したい。

鈴木亜久里監督のコメント
「ノブがトップに立ってくれて、ちょっと期待しちゃったけど、優勝したチームの車は安定していたね。そこのレベルまで行って超えていかなければいけないけど、中盤戦に向けてしっかりと準備していきたいね」

土屋圭市アドバイザーのコメント
「予選前は調子が悪かったんだけど、予選から挽回してくれて2番手を獲ってくれました。決勝はトップのペースには追いつかなかったけど、ノブも野尻もトップ争いをしてくれて、ようやくここに戻ってくれたと思っています。今回は2位でしたが、次回以降は選手権の主導権を握れるように頑張りたいね」

田中洋克チームディレクターのコメント
「ノブは安定して速かったですし、トップで野尻に渡せたのは良かったと思っています。しかし、トップの車両は速かっただけではなく、ピット作業も速かったので前に出る条件が揃っていたものの、我々もスピードはありましたし、ピット作業も決してミスをしたわけではないので、悔しいという気持ちが強いです」

野尻智紀選手のコメント
「松下選手からトップで繋いでもらったのですが、あれ以上ペースを上げるのが難しかったというのと、トップ車両のピット作業はとても速かったというのもあり、前に出られてしまいました。トップに出るチャンスも1度あったのですが、あのペースですと太刀打ち出来なかったというのが正直な気持ちです。また次、頑張ります」

松下信治選手のコメント
「全体的には良かったと思います。走り始めはヤバいと思っていましたが、走行を重ねる毎に良くなっていって、最初のスティントでは作戦通りトップまで行けたので、そこで野尻選手にバトンタッチしました。トップの車両は給油時間が短かったので、それで前に出られてしまいました。更にペースも速かったので、その辺は次回に向けて頑張って行きたいです」